鬼火焚き準備②

休憩から戻り残りの服巻竹を準備して設置場所へと向かう。設置場所は川と田んぼに囲まれた何もない場所ですでに大きな穴が掘られている。掘られているといっても毎年同じ場所に設置するので使いまわしだ。大きな穴の周りにはそれぞれの場所から集めてきた材料がすで準備されている。初めに穴の中心をとりその上に太く丈夫な竹を井型に組んで番線で縛る。そうして竹山の芯になる竹を三本束にして中心に立てる、この長い竹を立てるのは至難の業だ、四方から番線とロープで引っ張り根元を穴の中心に落とし込まなければいけない。立ち上がると途端に風に煽られて倒れそうになる。一本の竹が立っている時に風を受けて根元にかかるエネルギーは凄いものだと体感する。芯が立てば次は青竹と枯れ竹を交互に重ね芯を取り囲んでいく、その間も竹山には数人がへばりついて重ねた竹が倒れないようにしながら番線でしばり少しずつ竹山を大きくしていく。一番外側には服巻竹を重ね最後に笹を束ねたもので足元のボロ隠しをすれば完成だ。去年は冷たい雨が降る中の作業をしていて装備の不十分だった自分は手足が急激に冷え呼吸が荒くなり苦しくなってしまったため途中棄権してしまった。今年は曇りだったけど天気は崩れることもなく最後まで作業に参加することができた。これは自分の中では一つ成長だ。今バリバリ動けている人が動けなくなって参加人数も年々減っていってしまうかもしれないけれど、こういう行事に参加する度この集落で自分には何かできることがあるのだろうか?と考えてしまう。いろんな意見が複雑に絡み合っているのだろうけど共同体として何かをするというのは大切にしていきたいと思う。